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アイテム詳細

山崎 豊子

文藝春秋

グループ:本

ランキング:33159

価格:¥ 1,600  定価:¥ 1,600

発売日:2009-06-25

在庫あり。

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カスタマーレビュー

ちょうどNewsでも話題に  (2009-12-13)
この4巻目については、沖縄を中心に書かれています。勿論内容はフィクションですが、沖縄らしい人の接し方が見えるところがポイントで、人の温かさの一面を深く描いてます。 もちろんすべてが沖縄の特徴?と言うとできすぎの部分もあります。
ただ、作者が沖縄に対する思いも入ってますし、自分の知識に合致する部分も多分にありました。
さて、読後、元この問題に関与した外務省OBの方の暴露報道もありました。はたして、ノンフェクションなのか否か?複雑な心境になりましたが、この4巻に至っては、違う感覚で、これ1冊で沖縄を舞台にしたひとつの小説として読むことができました。

沖縄を描きたかった著者の最終巻。  (2009-12-12)
最高裁の上告棄却で有罪確定した弓成亮太。実父が一代で築いた弓成青果を引継ぐも結局は廃業に追い込まれ、ギャンブルにのめり込み落ちるところまで落ちた。そして死にたいと逃避行した弓成は1981年暮、伊良部島にいた。この第4巻では恥ずべき「そそのかし」記者は置いておき、沖縄の不幸な歴史の数々を認識することに読む価値がある。特に沖縄戦での学生達の悲劇だ。男子は鉄血勤皇隊、女子はひめゆり学徒隊。男子七校の学徒兵の死亡率は53%だった。女子は沖縄県立女子師範学校(白百合)と、第一高等女学校(乙姫)の生徒が看護要員としてひめゆり学徒隊を発足した。生徒・職員297名の内、職員16名、生徒208名が戦死した。病院豪では貫通破片が体内に残る負傷兵、手足切断患者、内臓破裂患者達の呻き声、糞尿の世話、充満する死臭、砲弾飛び交う外での水汲みや炊事搬送、壕内死者の搬出、全てがもの凄い。徹底した皇民化教育があり、本土以上に日本人たれとされ、戦火の中を引き廻し、戦闘能力失えば昭和20年6月19日に病院解散命令で、軍は学生達を放り出した。終戦後は田畑の米軍への土地強奪収用、米兵による暴行事件、米国立公文書館にあった沖縄返還協定の極秘ファイル、沖縄国際大への米軍大型ヘリ墜落、と続く。ところで弓成の妻の由里子は離婚せずに祖師谷から逗子に移り住み、長男洋一はシカゴ大を卒業し西海岸で就職、次男純二は北大を卒業し大手製紙会社に就職。弓成に唆された外務省事務官は離婚後、フリーカメラマンと同棲。弓成は沖縄の女性硝子工芸家と親密な関係に。弓成の為に大きな不幸と犠牲を負わせられた多くの人間がおり、毎朝新聞も不買運動から大きな犠牲を強いられた。本書は第1巻から4巻まで全編を通し山崎豊子氏の作品としてはどうも読後の後味が悪い。

密約問題の行方を見守る  (2009-11-23)
 民主党政権となって、日米密約の存在が明らかにされようとしている今、読み終えて感無量だった。「機密漏洩事件」のそもそもの出発点は、沖縄返還に伴う日米の「密約」であるのだから、この最終巻で沖縄が舞台になるのは必然なのである。小説を読み終えたあと、今また歴史の中に私自身も立っていることを実感した。澤地久枝『密約』、西山太吉『沖縄密約』も合わせてお読みいただきたい。

やはり読んで良かったと思う。  (2009-09-24)
著者の問題提起、沖縄再考を促す本心はこの巻に込められたものと思う。沖縄県民からすればヤマトゥンチュー(大和人)と言われる私たちは、いかに沖縄を犠牲にしてきたのか、さまざまな事件を通じてやるせない気持ちになる。広島や長崎はもちろん、空襲を受けた都市も当然にして犠牲を出しているし、沖縄とはまた違った地獄があったのだと思う。ただし生身の敵兵が上陸してくる恐怖、人間同士が殺戮を目的とし対峙しあう恐怖、米兵に嬲り者にされるかもしれない女性が感じる恐怖は、地上戦独特の狂気の沙汰だと思う。本作品全体を通じて、エンターテイメントとしては、かつての作品に及ばない。基地の問題ひとつを取り上げても被害者目線だけでは済まない様々な議論があるうえ、それぞれの個別の事件はすでに報道でよく知られておりインパクトが弱い。また、国の沖縄政策について、一家言を持つようなハイレベルな読者には物足りないこともあるだろう。弓成の再起もどちらかといえば地味だ。しかし沖縄の苦悩が切々と綴られている最終の第4巻を終え、やはり読んで良かったと思う。沈まぬ太陽で言えば御巣鷹山編の第3巻に相当するものと勝手に解釈している。チビチリガマ、鉄の暴風、少女事件はとてもつらく、涙なしに読めない。土地闘争、ヌチドゥ宝、大海原は痛快な部分もあり読んでいて楽しかった。

沖縄に旅行するときは、存分に遊べばいい。しかし僅かな時間を割き、戦跡を訪ねるなどして戦争について考え沖縄の過去現在未来を多少なりとも真摯に意識すべきである。沖縄を単なるリゾートと考えている輩には特に一読をお薦めする。知って遊べ。

ジャーナリズムとは!?  (2009-09-20)
毎日新聞に務めていた著者が、
同社の記者をめぐる事件を描いた、
ということで、ジャーナリズムについての
著者のなんらかのスタンスが示されるのだろう、
とは思っていた。

が、最終巻を読み始めて、
沖縄戦の話になったとき、
「これを書きたかったのか」
と思わず納得してしまった。

沖縄の話になったことで、
批判もあるようだが、
沖縄については、
何度でも繰り返し話されるべきだし、
耳を傾けるべきだろう。

ジャーナリズムの問題が、
大きな、大事な問題に収斂していくのは、
ジャーナリズムへのエールであるとともに、
現状への叱咤でもある。
なんとも読み応えのある小説でした。