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Googleに嫌われた日

written by 岡田隆志

  Last Updated: 2005/06/18(追記
Released: 2005/06/15
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copyright(c)2001-2022 Scramble-Egg Inc.

2005年5月23日のことでした。サイトの記事を製作しているときに検索エンジンGoogleでアイドル名を検索したところ、いつもは上位に表示されていた本サイトの記事がページをめくってもちっとも表示されません。

これはどういうことなのかと思ってあれこれ調べてみると、「Update Bourbon」と呼ばれるGoogleの大規模な順位変動によって、スクランブルエッグ内の記事の表示順位が一気に下落したようなのです。

表示順位が下落したのを知ってから1週間はかなり暗い気分になりました。腑に落ちない部分も多々ありましたが、数ヵ月経ったら順位が回復してくるのかどうかはさっぱりわかりません。

サイト制作をしていればこういう経験もすることはあるでしょう。このまま沈黙しているわけにもいかないので、この件に関しての私見を述べたいと思います。

キーワードの重複が問題か

Googleに問い合わせても返答はないので、ほかのサイトやスクランブルエッグのサイト内を調べ、とりあえず次の仮説を立てることにしました。

「Googleは、サーチエンジン対策を過剰にしたスクランブルエッグon the Web内のページの表示順位を一気に下げるペナルティを科す」

これが事実かどうかは知ることはできないのですが、サイト丸ごと順位を下げられたことはまぎれもない事実です。

本サイトで2005年にRecommended Eggsになった11組、本サイトで2回表紙をつとめた山本早織ちゃん、桐村萌絵ちゃん、そして本サイトが最初に独占的にオリジナルコンテンツを提供・発表した栗林三枝ちゃん、原宿BJ Girlsで検索した結果をGoogle、Yahoo!、MSN、MSN Beta(次期MSNサーチ)、Ask.jpで調べてみました。(2005年6月14日に調査)→6/18にGoogleのみ再調査しました。追記

※MSN Betaのリンクをクリックしたあとに表示内容が真っ白な場合はそこで再読み込みしてください。

タレント名 Google Google
(6/18)
Yahoo! MSN MSN Beta Ask.jp
横張紫穂莉 84 6 1 1 3 7
矢口聖来 139 9 6 6 1 29
金井アヤ 82 6 5 5 1 29
SweetKiss 77 8 7 8 6 139
西田奈津美 76 4 3 3 1 41
疋田紗也 210 11 10 11 8 14
木村美樹 138 14 12 9 13 1
大久保麻梨子 142 4 10 11 7 3
福永ちな 126 6 7 7 29 2
手嶋ゆう 215 15 7 7 27 6
太田千晶 237 10 8 9 28 3
山本早織 475 10 9 9 20 10
桐村萌絵 138 6 6 1 5 7
栗林三枝 79 3 2 2 1 4
原宿BJ Girls 48 2 1 4 6 (注)

※数字はタレント名をキーワードとして検索し、最初にスクランブルエッグのサイト内のページが表示された順位。Googleは日本語のページを検索。
(注)Ask.jpは「原宿BJ Girls」で検索した結果がひとつもありませんでした。

これを見れば一目瞭然なのですが、明らかにGoogleはスクランブルエッグのサイト全体に対し、ペナルティあるいは、低い評価を下していることがわかると思います。恐ろしい言論封鎖というか、すさまじい制裁ですね。

SEO(サーチエンジン最適化)対策は当然していますが、ペナルティに値するようなスパム行為をした覚えは一切ありません。とはいえ、昨日の常識は今日の非常識、たぶん、Googleのページ表示順位のアルゴリズムが変更され、一気に下落したサイトがたくさんあるうちのひとつになってしまったのでしょう。

それは事実として甘んじて受け入れ、サイト内を整理している最中です。

過剰なキーワード重複のひとつの原因は本サイトのほとんどのページにあるRecommended Eggs(表紙的役割をつとめてもらっているサイト一推しアーチスト)かもしれません。サイトの表紙制度は、他のサイトにはない、きわめてオリジナリティの高い重要度の高いコンテンツなため、表示はそのままにして、サーチエンジンのロボットに認識されないように変更しました。

しかし、たぶんそれだけでは十分ではなく、アイドル関連のページ、コラムページの上部にあるパートナーサイトのテキストリンク、そしてサイト内関連記事へのリンク、関連アイテムへのリンクにキーワードとなるタレント名が入っていると順位下落の対象となる可能性があるので、この部分の配慮も必要となることでしょう。

本当はそんなことはしたくないんです。アイテム名にはタレント名は必要ですし、記事へのリンクにもタレント名は必要だと考えています。「これもどうですか?」という意味で関連タレントや関連アイテムへのリンクもあったほうがいいのです。

でも現在のままではGoogleに評価されないんです。Googleの表示順位を決めるアルゴリズムが変わった以上、コンテンツと関係ないキーワードを入れたり、過剰に入れすぎないようにしないといけません。

Googleは使えなくなった?

どの検索エンジンでもアイドル名をキーワードにした検索結果は次のようなものが並んでいます。

・オフィシャルサイト
・スポーツ新聞系のニュースサイト
・有用な情報が載っているサイト
・商品を売るサイト
・blog(内容のあるものとないものが混在)
・ファンサイト
・著作権を無視した画像を掲載しているサイト
・ゴミサイトかどうかよくわからないサイト
・アフィリエイトリンクばかりが載っている中身のないサイト
・検索エンジンの上位表示のみを狙っているクソサイト

これらのごちゃごちゃした結果から目的に応じてクリックするわけですが、2005年5月に更新されたGoogleインデックス(順位表示用データベース)はゴミらしきサイトが急激に順位を下げ、上位はほとんどが商品を売るサイトばかり。

これって本当にユーザーニーズを満たしているんでしょうか?

ユーザーは内容のないゴミサイトは心底見たくないですが、ゴミかゴミじゃないかあやしいものは自分で見て判断したいのです。今回の更新はGoogleのフィルタリングプログラムが「ゴミらしきもの」の順位を大幅に下げてしまったため、少なくとも私にとってはまったく使えなくなってしまいました。3年前に一生懸命100位以下の情報を漁ってた時代を思い出させます(笑)。

検索結果から、「このドメインは検索結果に表示しない」ボタンを作ってユーザーごとにカスタマイズできるようになればゴミサイトをユーザーが選べるのですが、残念なことにそういう機能を持った検索エンジンはまだないのです。

本サイトがペナルティを受けていると仮定し、元に戻ることを期待していますが、現状では、「ほかのどこよりも早く発掘・掲載し、ほかのどこよりも詳しい情報を、ほかのどこよりもたくさん掲載している」と自負しているスクランブルエッグの情報はGoogleでは実質的に無視されているのです。

ロボットよりも人間を優先したい

ECサイト(商品販売サイト)にとって検索エンジンの結果の順位下落は即、売り上げ低下につながります。今回のGoogle更新で泣いたサイト、笑ったサイトがいろいろあったことでしょう。

本サイトに降りかかっている現状を見てほくそえんでいるライバルサイトの人も、今日の常識は明日の非常識なのでうかうかしていられないですよ。

ちなみにスクランブルエッグon the Webはこの半月間実際にどうなったかですが……。

(1)ページビュー

最初の1週間は激減、ただし、トップページはほとんど変更なし。6月上旬に入って新規掲載コンテンツのペースが上がったため、むしろアクセス数はアップしています。

(2)Googleからの検索参照

Googleからの検索はほとんどありません(笑)。実はこれ、最初の数日はすごくショックだったんですが、かえってすっきりした気分です。Googleのイメージ検索は順位下落の対象ではないらしく、イメージ検索からの訪問がすごく目立つようになりました。

(3)Googleの検索ロボット

特に変化はありません。定期的に巡回しています。


なんかですね、実のところ、あんまり影響がなかったといいますか、本サイトの訪問者は検索エンジンから偶然いらっしゃる方よりも、熱心なリピーターが大変多いのではないかという結論に達しました。

それなら、多少の新規ユーザ獲得チャンスは失っているものの、サイトの品質を落とすことなく、今まで熱心に訪問してくださった方々の期待に応えられるように、今までどおり作っていけばいいのではないかという気持ちになりました。

今の心境はちょっと開き直って、与党から野党になった気分で結構楽しんでいます。他のマスコミが追随できないような本当にオリジナリティのあるコンテンツをこれからももっとたくさん提供していこうと、決意を新たにすることができました。

Googleがスクランブルエッグを無視することが最終的にユーザーニーズを満たさないことがわかるときがいつか来るでしょう。それまで本サイト訪問者の方々にはご不便、ご心配をおかけするかと思いますが、これからもよろしくお願いします。

P.S. 岡田は多忙なため、定期的にコラムを載せられなくなっています。岡田の書き下ろしアイドルコラムは「レッツ岡田のビュンビュントピックス」(ドリームアイドル)や、待受画面コレクション(携帯サイト月額315円)内の「レッツ岡田のグラドル調査隊」で連載を持っていますので、そちらもお楽しみください。


2005年6月18日追記

Googleのサイト順位が復活

なんと、このコラムを掲載した2日後ぐらいからGoogleのインデックス更新が行われ、スクランブルエッグのサイトの順位が以前と同じように復活しました。

スクランブルエッグと同じように復活したアイドルサイトもあれば、今回の更新で一気に下落したアイドルサイトがあるのを確認しました。この境界線は非常に微妙で、何を基準とするのかは未だにわかっていません。

ただ、はっきり言えることは、Googleは順位決定アルゴリズムを常に見直しているということです。ですから、サイトを作る側は、そのアルゴリズムに左右されすぎることなく、サイトのコンテンツそのものに目を向けていかなければならないでしょう。

本サイトがGoogleの検索結果から姿を消していた期間に、次のページを読み直してサイトのコンテンツを見直すことができました。

【Web マスターのための Google 情報】
http://www.google.co.jp/webmasters/guidelines.html

今回のインデックス更新で下落し、私と同じような思いをされたWebマスターのために本サイトがした施策を紹介しておきます。

・繰り返し表示されるコンテンツやリンクの一部をJavaScript化
・アフィリエイトテキストを分散(同じキーワードを集中させない)
・ページ内リンクを減らす
・サイト内のキーワード率を下げる
・コンテンツと関係ないキーワード(アフィリエイトテキストを含む)を減らす

これらは検索ロボットのためだけでなく、ユーザがサイト内全文検索を使うときに目的のコンテンツが上位に表示されるようにと考えて修正しました。現在も修正中です。

特にblogを運営されている方はキーワード過多、リンク過多になりがちなので、ひとつのエントリー内に関係ないアフィリエイトリンクを羅列したり、関係ないタレント名を羅列しないように工夫しないと「リンクの羅列にしかすぎない悪質サイト」と判定され、排除される危険性があるので注意なさってください。

また、Dreamweaverでライブラリやテンプレートを使っている方はblogと同じようにキーワード過多なページを意識・無意識かかわらず大量に作れてしまいますので、「リンクの羅列にしかすぎない悪質サイト」と誤解されないか確認することをおすすめします。

コラム発表直後から、励ましの感想を多数いただきました。この場を借りてお礼申し上げます。これからもスクランブルエッグをよろしくお願いします。

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