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紺野あさ美・小川麻琴の卒業に寄せて

written by 上木憲文

  Last Updated: 2006/02/21
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中野から逃げ出したのは、ネズミだけではないようです。紺野あさ美・小川麻琴のコメントを読むと、苦悩の痕跡がみられません。籍だけモー娘。に置いて、休職扱いでもよかった気がしますが、そんな選択肢まで考えが及ばなかったのでしょうか。それとも、どちらかが拒否したのでしょうか。

アイドル活動は原則5年

モーニング娘。は、97年9月に5人でスタートして現在までに17人が加入して、12人が卒業しています。卒業順に名前だけ書き出すと、福田明日香、石黒彩、市井紗耶香、中澤裕子、後藤真希、保田圭、安倍なつみ、辻希美、加護亜依、飯田圭織、矢口真里、石川梨華となります。

卒業して、ハロプロを離れるのは、初期の福田、石黒、市井以来になりますが、紺野・小川のコメントは歯切れが悪い。1年前に出した、矢口真里のコメントと比較すれば、歴然とします。言葉は悪いですが、紺野・小川のごり押しが通った、というのが率直な感想です。

内容も芸能界と絶縁宣言したものではなく、深読みすれば、とりあえずハロプロから逃避したかっただけ、と読めます。

さて、2人の決断そのものについてですが、アイドル活動は5年がひとつの区切りと考えられますので、個人的には正解だと思います。

例えば、一世を風靡したピンク・レディーでさえ76年から81年までですし、近い例としては、SPEEDが95年10月に活動を開始して00年3月解散、ZONEは99年12月インディーズデビューして、05年4月に解散しています。

モー娘。自体、02年9月の後藤真希卒業に絡んで解散も検討された、という話が伝わっています。

紺野・小川が5期生オーディションに合格したのが01年8月ですから、時期的には卒業話が出てきてもおかしくないし、このところ、不可解な卒業が続いていましたので、自ら決断(?)できたことは良かったと思います。

ただ、紺野のコメントを読むと、直感的にデジアナの匂いを感じるのですが、どうでしょう。紺野クラスならば、引く手あまたでしょうから4年後を期待していいと思います。その前に、「恋のから騒ぎ」出演でしょうか。

2人の卒業発表で、5期生ファンが浮き足立ってモー娘。から流出しているのは事実ですが、その補充作として考えられることは一つしかありません。8期生オーディションです。

ファンの実数

Berryz工房に続いて、℃-uteも「まっさらブルージーンズ」で、インディーズデビューしました。ファンの実数(ひとまずCDを購入する人に限定します)は、どのくらいとみればいいのでしょうか。

セールスの数字から考えれば、Berryz工房で14,000、℃-uteで7,000が上限と思われますが、誰もそんな数字は信用していません。

Berryz工房ですと、昨年夏のイベントの5,000人が一つの基準になりますし、℃-uteですと、5月のイベントの1,500人が基準になります。

キッズファンはかけもちが多いので、この数字でも多い気がしますが、これには、ハロプロエッグ・ファンが加味されていません。ですから、キッズファン全体としては、7,000人程度ではないかと思います。もちろん、これは私個人の推測なので確証はありません。

なぜこういう問題を出すのかというと、7,000人程度のファンで、Berryz工房と℃-uteの2ユニットを支えられるのか、ということを問題にしたかったのです。

CD自体、写真やイベント参加券のオマケがなければ売れないわけですし、なかにはオークション出品を前提に購入しているのが現状で、とても正常な姿とは思えません。

だから℃-uteはメジャーデビューしていない、と言えばそうなのですが、一般的には、Berryz工房よりも℃-uteが上位、早い話が格上という認識になっています。ハロプロのホームページでは、℃-uteの方が先に名前が出てくるので、Berryz工房ファンの私でも否定はしません。

格上の℃-uteがインディーズで、格下のBerryz工房がメジャーデビューというのも奇妙な話です。だから、5月6日のさいたまスーパーアリーナのモーニング娘。コンサートに℃-uteを出演させて、知名度アップとファン獲得を試みた、ということなのでしょう。

℃-uteの欠陥

℃-uteのデビュー曲「まっさらブルージーンズ」のジャケット写真は、リーダーの矢島舞美と新人有原栞菜のツートップになっています。歌自体も矢島メインで物議をかもし出したようですが、有原は置くとして、矢島はリーダーだから仕方ない、という発想はコラム的ではありません。

3月のスポフェスで大人になった矢島舞美に対するご褒美、と考える方がコラム的です。なんといっても1500m走で紺野あさ美の2位になったのですから。

5月の℃-uteイベントは、大成功だったようです。特に握手会でモー娘。ファンを取り込み、AKB48への流出を止めた功績は大きく、順風満帆のようにみえます。おそらく、6月、7月のイベントも大成功すると思います。

さぁー、メジャーデビューだ、となるのかというと問題もあります。ファンの絶対数の問題もありますが、基本的には、℃-uteというユニットが個別に抱えている問題もあると思っています。

ネット上では、既に℃-ute全員の親の職業が書き込まれています。真偽の程は不明ですが、事実ならば、メジャーデビューをためらわせる理由と考えられます。全員が自営業の娘というのはどうなのでしょう。しかも何人かは、お金持ちのお嬢様と推測できます。

まあ、「お金持ちユニット」、「お嬢様ユニット」、と逆手に取ることはできますが、マスメディアが飛びつきそうな匂いがするユニットというのは、子供が対象になるだけに危険です。

たとえば、「セカンドシングル『即 抱きしめて』のジャケット写真、お金持ち順じゃん」、と突っ込まれる危険性さえあります。それを℃-uteの売りにできればいいのですが、そんな抵抗力、メンバーもファンも持ち合わせているとは思えません。ですから、℃-uteはインディーズが無難と思いますが……。

最近のBerryz工房

ヲタ問題です。

徳永>嗣永>>須藤>夏焼>清水>>菅谷>熊井は、何のことでしょう。

モー娘。から℃-uteにファンが流れても、Berryz工房ファンはあまり気にしない風潮があります。根本的に、モー娘。ファンとは反りが合わない、と分っているので関心が薄い。

理由はいろいろ考えられますが、一つには、ハロプロショップの売り上げ問題があります。これも真偽不明の話ですが、Berryz工房関連の売り上げがモー娘。を抜いたという話が伝わっていて、内輪ではハロプロを支えているのはBerryz工房ファンだ、ということになっています。

そのわりにテレビ出演が少なく、冷遇されているせいか、単独コンサート派が圧倒的に多い。少なくとも、モー娘。と同じステージに立てれば満足、といった殊勝な考え方はまったくありませんから、この夏のコンサート、「~ワンダフルハーツランド~」も、モー娘。と美勇伝、邪魔!となります。

昔から、ファンはタレントに似ると言います。「にょきにょき」派(身長の伸びが顕著)のBerryz工房そのものが、ファン気質(一言でいえば、自由奔放)になっているようで、上意下達が伝統のハロプロとは大きな違いがあるようです。

ヲタ問題の答えは、ゲームに対する「こすっ辛さ」の順です。育てられ方の違いなのか、単なる性格の違いなのかわかりませんが、温度差が大きくゲームが成立し難いと思われますが、とりあえず、7人仲良く遊んでいます。

邯鄲(かんたん)の夢

卒業する、紺野あさ美と小川麻琴に贈る大人のコラムです。

高校生ならば知っていても不思議ではないのですが、「朝三暮四(ちょうさんぼし)」「塞翁(さいおう)が馬」「邯鄲の夢」、という言葉を習ったのは、中学2年生になった4月下旬か5月上旬の古文の授業でした。

13歳の子どもにとっては、呪文のような響きで、将来役に立つとも思えないし、試験に出るとも思えない言葉に面食らった記憶があります。ただ、なぜ13歳の子どもにこんな言葉を教えたのか、そのことがずっと気にかかっていました。

こんな言葉、知らなくても別に困りません。知らないまま一生を過ごす人だって多いはずです。古文の教師は、教科書から逸脱(本来は、漢文の授業で習うもの)してまでも、なぜ授業の冒頭で教えたかったのか、そのことを社会人になってからも考えていました。

なぜだと思います?

言葉の意味は国語辞典を引けば載っていますから、簡単にわかります。古文の教師は13歳の子供に知識を与えたかったのでしょうか。たぶん、違う何かを伝えたかったのだと思います。

あれからうん十年、最近になって、やっとその伝えたかったものがわかった気がします。紺野あさ美も小川麻琴も誕生日をあと30回ぐらい迎えることが出来れば、わかるはずです。たぶん、ある種の感慨をもって。

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