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芸能予備軍事情12~高校生世代の逆襲~

written by KEN

  Last Updated:2002/10/19
本記事を無断で複製・転載することを禁じます。
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この連載もどうにか丸1年続けることができました。連載開始当初は、どのように記事を展開させていくかの構想は練っていなかったのですが、結果として「オーディションレポート」「過去の取材の回想」そして「オーディション選曲講座」の3つを連載の核として進めた格好となりました。

今回は、1回目のコラムで触れた「世代別の現状」をあらためて振り返り、今後の芸能予備軍の方向性を探ってみたいと思います。

さて、1年前に「世代別の現状」の記事中で提示した芸能予備軍の実態は下記の通りでした。

  1. オーディションを受ける世代は、小学校高学年~中学生(ジュニア世代)が主流。
  2. 芸能予備軍としての高校生(高校生世代)の凋落。

1年経って、この流れはより顕著になっているようです。

モー娘。5期生、ハロプロキッズは言うに及びませんが、特に目立つのは、沖縄アクターズスクールをお手本に作られたダンス系スクールの台頭で、BOYSTYLE、BON-BON BLANCOを筆頭に中学生を中心としたユニットが全国レベル、地方レベルで活動を始めています。スクールに子供を通わせている、いわゆる「ステージママ」の姿もマスコミで大きく取り上げられるようになりました。

いっぽうで、子役時代から活動していた若手の女優・タレント、中学生でCDデビューしたアーチストなどが、高校入学とともに「学業優先」の名目で芸能活動をセーブしてしまう事例も多く見受けられ「芸能界を目指すこと、芸能活動をすることは中学生まで」という風潮さえできています。

国民的美少女コンテスト時の阪田瑞穂(Photo)
いまどきの女子高生には珍しい、清楚な感じのする阪田瑞穂さん
「正しい女子高生像」の期待に応えることはできるでしょうか

そんななか、今年の「第8回全日本国民的美少女コンテスト」では、グランプリの1人として高校2年生の女の子(阪田瑞穂さん)が選ばれました。

意外な結果だったという意見も多くありましたが『日本女性美の継承』という「国民的美少女」の企画意図に則るとすれば、おそらく、事務所サイドは、現在混乱を極めている女子高生の正しい姿を彼女に託したようにも思われます。

そして最近、ハロプロからも後藤真希、松浦亜弥、藤本美貴の3人が「ごまっとう」というユニットを組み、CDデビューするというニュースが飛び込んできました。

これは、やはり、CD売り上げをアップさせ、アイドルシーンの裾野を広げるためには、若い男性の共感を得るような、高校生世代アイドルが不可欠であるという認識に立ったものでしょう。

また、ほぼ同時期に発表されたモー娘。の追加メンバー募集に関しても、メンバーがどのような構成になるのか注目です。もし、高校生世代の女の子が加入することになれば、今までの、ジュニア偏重の流れが大きく変化しそうな雰囲気です。

ご存知のように、ジュニア世代は、法律によって活動の時間帯が大きく規制されています。中途半端な仕事を続けることによって、芸能人としてのモチベーションを低下させる(前出の「学業優先」が典型例)よりは、義務教育卒業後、一定の覚悟を持って(進学するとしても)活動に専念させたほうが本人のためになるのでは、という考えが業界内に芽生えつつあるのかもしれません。

個人的意見としても、16~17歳くらいの女の子が、芸能人としても、芸能予備軍としても、いちばん輝いている時期だと信じています。この世代がメインストリートに立つことによって、一度は芸能界への道をあきらめた娘も、チャレンジ精神を呼び戻し、再び自分を輝かせる機会を得られたら、と思わずにはいられません。

長らくお付き合いいただいた「芸能予備軍事情」シリーズはひとまずこれで締めたいと思います。次回からは、引き続き芸能予備軍に関連するネタで、また、新しい切り口で連載記事を考えていますのでお楽しみ。

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