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※以下の記事はアイドル総合情報サイト「ドリームアイドル」にて2004年11月から2006年2月まで編集長岡田が42回にわたって連載していたコラムです。ドリームメールとのサイト統合のため、アーカイブという形で本サイトに掲載しています。 ビュンビュントピックス目次

Webがメディアとして認められる日のために


Released Date: 2005/03/30

今回は残念ながら写真はありません、悪しからず。

ニッポン放送問題で世間が揺れている今日このごろですが、みなさんはそれぞれどんな見解をお持ちでしょうか。私自身は現時点ではどちらの利害関係もないので自由に発言できる立場ですが、こう毎日のように状況の変化が刻々と変わってしまうようでは、一定の見解を申し上げるわけにいかないのが現状です。

今回のニッポン放送で、私自身として何か降りかかってくることがあるとすれば、ニッポン放送の番組内容そのものであり、株主の問題、フジテレビの問題とは関係ないことです。

といいますのは、私はかなりのニッポン放送のヘビーリスナーでして、3月28日から番組から改編されましたが、改編前は朝のつかちゃんから、森永卓郎、うえやなぎまさひこ、高田文夫、テリー伊藤、高嶋ひでたけ、松本秀夫、垣花正、くりぃむしちゅー上田晋也、オールナイトニッポン、斉藤安弘まで24時間、どっぷりニッポン放送に浸かっている生活をしているのです。

え? いつ寝てるかって? 寝る時間はありません(苦笑)。いや、どこかで寝てるんですけど、起きているときも寝ているときもニッポン放送は私の生活と密着しているのです。

こんな私と同じように東京ではTBSラジオ中毒、文化放送中毒がいまして、ラジオ番組はそれだけリスナーにとって生活に密着しているメディアなのです。ですから経営者や株主が変わろうとも、リスナーにとってラジオという中毒性、習慣性のあるメディアのパーソナリティは急激に変わってほしくないというのが正直なところです。

もはやWebなしでアイドル情報を得ることはできない

さて人間は年をとってくると変化を好まなくなるものでして、現在が多少不快であろうとも現状を維持しようとします。それはあらゆる事象についていえることで、新しく変わっていこうとする力には抵抗するようにできているものです。

ライブドアの堀江(当時)社長の言っていることはかなりの面で正論と思えるのですが、氏の言い方ややり方が変化を拒否している人たちのことを考慮したうえで発言していない面があるので感情的な拒否反応が出てきているように感じます。

アイドルが存在できる芸能界、エンターテインメントの世界でもインターネットというメディアの存在は欠かせないものになってきています。紙のメディア、電波のメディアのそれぞれの長所を生かし、融合することができる新しいメディアであり、無視することはできないのです。

インターネットがなかったらアイドルの最新イベント情報や詳細プロフィールをどうやって知ることができるのでしょう。それを雑誌などの紙媒体で調べるほど悠長な世界ではないのです。限られた枠しかない地上波テレビでもほぼ不可能です。こうしてWebをやっている人とやっていない人の“情報格差”は広がっていくばかりです。

Webサイトがない企業は信頼されなくなったり、今や採用応募はWebからのみという企業も増えてきました。ただし残念ながら芸能プロダクションのWebへの進出はかなり遅く、情報発信という点ではほかの業種と比べて遅れをとっているのが現状です。

業界再編のカギはWeb

芸能プロダクションのWebサイトの整備がなぜ遅れているのかといいますと、変化を好まない人が多く存在すること、トップがWebというメディアの利点を理解していないこと、Webでの情報発信をビジネスとしてとらえることができないこと、著作権・肖像権を保護しづらいこと、更新する人員を確保できないことなどがあげられます。

多くの場合、ほかの業種と同じように企業が若返ってWebというメディアの利点を理解するトップがいれば、Webならではの展開ができるはずですが、芸能プロダクションはそう簡単に若返る仕組みになっていないので、取り残される大手と、新手の中小が乱立し、いつかはなんらかの大きな業界再編が起こるだろうと私は考えています。

その鍵は「Web」というメディアにほかならないと私は確信しています。そして著作権・肖像権を保護する技術もキーポイントになるでしょう。

変わっていかなければならないこと、変わってはならないこと

堀江(当時)社長が言うように、いずれはインターネットというメディアが紙や電波よりも生活に密着したメディアになっていくでしょう。紙媒体や電波の媒体がなくなることはありませんが、Web媒体を忌避したり無視したりすることはもはや不可能な時代です。

インターネットがいつメディアの王者になってもいいように、Webというメディアを使った収益モデルや情報発信方法、タレント作り、著作権保護などの面で真剣に考え、実践する時期に来たといえるのではないでしょうか。

ライブドアとフジがどういう決着になったにせよ、いずれは変わっていかなければならないことを多くの人に認識させるいいきっかけになったのではないかと思います。

そして変わってはいけないこともあります。

ニッポン放送のアナウンサーで朝の番組のパーソナリティをつとめている、うえやなぎまさひこさんがこんなようなことを言っていました。

「消防署の職員は、市長が変わったからといって職務放棄するわけにはいかない。ぼくらラジオで話しかける人間は消防官と同じような立場で、市民であるラジオリスナーといつものように接していくだけ」

うえやなぎさんが「ニッポン放送玄関前でテレビカメラの前で話したのにどの局として取り上げてくれなかった」となげいていたので、私がここで取り上げました(笑)が、変わってはいけないことはこういうことだと思います。

そしてアイドルもファンの人たちに夢や勇気や希望を語りかけることは変わってほしくないのです。その変わってほしくない点を守りながらWebというメディアを活用していくプロダクションが最終的に生き残れるのではないでしょうか。そんなことを考えつつ、新時代にふさわしいアイドルとそれを取り巻くスタッフを応援していきたいと考えている今日このごろです。

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