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アイドルイベントを考える

written by 伊藤真一

  Last Updated:2002/11/11
本記事を無断で複製・転載することを禁じます。
copyright(c)2001-2016 Scramble-Egg Inc.

これから売り出そうというアイドルタレントにとって、いわゆる「イベント」の実施は欠かせないものです。2002年現在、週末ともなると各地合わせて一日に10件を超えるイベントが行われています。今回のコラムはアイドルイベントについて変遷、変化の理由、現状の問題点を考え、今後の提言をしたいと思います。
※イベント=写真集、CD、ビデオ等の販促活動の一環として行われる、握手会・サイン会・舞台挨拶といった催し。それ自体は無料だが、入場に際しては商品の購入等の条件が付く場合が多い。

イベントの変遷

アイドル歌手華やかなりし1980年代のイベントは、以下のような傾向でした。

会場
(首都圏周辺)
大規模小売店舗
(デパートなど)
三越(銀座、日本橋)、東急(本店、東横店)、サンシャインシティ噴水広場など
野外 日比谷野音、よみうりランドEASTなど
その他 新宿NSビルなど
販売対象商品 主にレコード(シングルおよびアルバム)、もしくはビデオ(VHS)
特典 握手、サイン(色紙)、ツーショット撮影など

現状はこのような感じになっています。

会場
(首都圏周辺)
電器店 石丸、ヤマギワ、ラオックスなど(主に秋葉原)
レコード店 HMV、タワーレコードなど
書店 書泉、福家書店など
販売対象商品 ビデオ(VHS/DVD)、写真集、CD、トレーディングカード、カレンダーなど
特典 握手、サイン(色紙以外にジャケットなど)、トレーディングカード、ツーショット撮影

これらからうかがえることとしては、

  • 会場の小規模化
  • クローズド(入場しないと見ることができない)なイベントの増加
  • 専門店化
  • 商品、特典の多様化

などが挙げられます。

変化の理由

アイドルイベントはどのような理由で変化してきたのでしょうか。

【アイドルタレントの絶対数の増加およびそれに伴う個々の集客力の低下】

1980年代においては、アイドルは歌手である場合がほとんどだったので、必然的にデビューする総数は抑えられていました。そのため、イベントを行うようなアイドルの数も限られており、ある程度の知名度や集客数も見込むことができました。

現在ではグラビアアイドルという概念が成立し、デビューする総数が歌手を前提としていた当時よりも増加しているため、イベントの総数は増加していますが個々の集客力は低下している――もちろんハロープロジェクトの一部などの例外はありますが――とみるのが妥当なところでしょう。

そのため、小人数を前提とした会場にシフトしていったと考えられます。1980年代から継続してイベントを開催している主要な会場というと、首都圏周辺ではサンシャインシティ噴水広場くらいでしょう。

【アイドル≠歌手】

前項でも触れましたが、アイドルと歌手が同義でなくなったため、販売する商品としてレコード(CD)よりもビデオ(含むDVD)や写真集のほうが主要な商品となっています。アイドル分野においては、オーディオonlyのメディアが絶滅する事態もあり得るかもしれません。

【アイドルそのもののマニアック化】

かつては、イベントを行うようなアイドルなら少なくともテレビの歌謡番組程度には顔出ししており、知らずに来た客でも「どこかで見たような」くらいの印象は与えました。

現在では、テレビに出たことがほとんどなく、一部の層にしか知られないようなタレントでもイベントを実施できますが、そのかわりに集客が見込める秋葉原などの特定の会場に集中する結果となっています。

現状の問題点

イベントが変化したことによって引き起こされている問題点を列記します。

【一極集中化】

タレントの集客力低下にともない、イベントの首都圏一極集中、特に秋葉原近辺の電器店と都心の書店への集中傾向がうかがえます。もちろん、地方でイベントを行っても集客が見込めないため、タレントを稼動させても割が合わないとの判断と思われます。

【実質的な有料化】

かつては見るだけならフリーな(商品を購入する必要はない)イベントも多かったのですが、昨今はほとんどのイベントが商品を購入しないと参加すること自体ができません。最初から既存のファン層しか相手とみなしていないということでしょう。

【特典】

前項とも関連しますが、商品を購入させようという意図が露骨になり、複数購入を促すような特典供与が増えています。たとえば、秋葉原の石丸ソフトワンで2002年4月21日に行われた小池栄子と八幡えつこのイベントでは、以下のような特典となっていました。

DVD1枚購入: サイン入りDVDジャケット1枚
DVD2枚購入: サイン入りDVDジャケット2枚+イベント限定トレカ1枚
DVD3枚購入: サイン入りDVDジャケット3枚+イベント限定トレカ1枚+DVD発売記念トレカ1枚
DVD4枚購入: サイン入りDVDジャケット4枚+イベント限定トレカ1枚+DVD発売記念トレカ2枚
(以下、購入枚数1枚ごとにDVD発売記念トレカ1枚)

熱烈なファンならともかく、それ以外の人はここまで商業主義を強調されると辟易してしまうのではないでしょうか。(※辟易[へきえき]=勢いにおされて、しりごみすること。閉口)

【各種規制】

イベントには、撮影禁止、録音禁止などの規制があります。マイナーなタレントほどゆるく、メジャーなタレントほど多いのは集客力とのバランスでやむを得ないでしょう。

ただ、銀塩カメラはいいがデジタルカメラは禁止という規制はどうでしょうか。デジタル化された画像の流通防止に多少の効果はあっても絶対ではないですし、技術の進歩によってデジタルカメラを検知することは困難になる一途で、いずれ破綻するような気がしますが。

【イベントの内容】

電器店系のようにステージがある場合は、一応トークなどでタレントを知る機会が与えられますが、書店系などでステージのない場合は、タレントと接することができるのは握手するときだけに限られます。これでは熱心なファン以外は行きづらいでしょう。

今後に対する提言

今後のイベントに対する提言(というか個人的希望)を以下に記します。

【地方でのイベントの増加】

イベントの数は増加していても、地方でのイベントは増加というよりもむしろ減少傾向にあります。メディアの発達によって東京と地方の差は縮まったように思われますが、直接接する機会となると逆に溝が広がっています。集客面などで難しいのは重々承知の上で、なるべく地方でのイベントも検討していただきたいと思います。

【固定客以外も視野に入れる】

商品を購入しないと入場できないイベントの増加によって、客の側からするとイベントで見聞きして気に入ったら購入するという選択肢は奪われつつあります。このようなケースでは、そのイベントを見るという明確な目的を持った客以外はほとんど参加しないでしょう。

ふと立ち寄って気に入ったので商品を購入するというようなイベントも見たいものです。特にステージもないような場合は、新たなファンを増やす効果はほとんど見込めないのではないでしょうか。

【規制の公平と徹底】

規制をするのはやむを得ないとは思いますが、規制を行う以上は正直者がバカをみないように、公平かつ徹底することを希望します。

イベントに集まるファンにも問題がないわけではないですが、それはまた別の機会に。

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