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『SPA!』2000年7月19日号 - 中森文化新聞


Last Updated: 2001/08/01
written by KEN & 岡田隆志
本記事を無断で複製・転載することを禁じます。
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SPA表紙 中森文化新聞記事イメージ

本誌の先見性を業界や一般の方々に多く広めることになるきっかけとなった『SPA!』2000年7月19日号に掲載された『中森文化新聞』の原稿を公開いたします。

今回公開する内容は私たちスタッフから「SPA!」編集部に送った最終稿です。実際に掲載された記事とほんの少し違うところがありますが、基本的に同一な内容です。ほかの取材記事、リードはありません。今回公開するにあたって小見出しのみを新たにつけました。

「SPA!」は発行後1年経つとバックナンバーが購入できなくなってしまいます。
「スクランブルエッグ」のことをまだよく知らない方のために書いた原稿なので、一般の方に広く知っていただくために、Webで公開することにいたしました。

椎名林檎さんの3回連続エッセイ掲載のヒミツ

 読者のみなさま、はじめまして。
『スクランブルエッグ』の編集をしています岡田とKENです。
 アーチストやタレントの卵たちをいち早く紹介・応援していこうと、創刊してから5年半が経ちました。オーディションやタレントスクールの発表会で、まだ業界の人にも知られていない「原石」の状態でアーチストやタレント候補生の将来性を見抜くスタッフのキャリアは長い人で15年以上になります。それがようやく注目されるようになり、こうして紹介されることになりました。

 さて、まずは今回「中森文化新聞」で取り上げられるキッカケになった、椎名林檎さんのエッセイ掲載の経緯についてお話ししましょう。

 椎名さんを初めて観たのは94年の「ホリプロ・タレントスカウトキャラバン」の取材(創刊号)のときでした。マライアキャリーの写真をぶら下げて、丸山圭子の「どうぞこのまま」を歌う姿は、周りの出場者から比較すると思いきり違和感がありました。
 その数ヵ月後、福岡に別の取材で行った際に、椎名さんと会う機会がありまして、実は彼女、お父さんと一緒に来たのですが、そのお父さんが非常に音楽好きの方で、その影響もあって彼女も昔の音楽、特に70年代のヒット曲には興味を持っていたようです。

 本誌には、創刊時からエッセイのコーナーがあります。これから芸能界を目指す人に今、思っていること、感じていることを生の言葉で書いてもらおうという企画で、その一人として彼女にも書いてもらいました。FAXで送られてきた文章を観て「なかなか面白い文章を書く娘じゃん」ということでスタッフの意見が一致、「ティーンズ・ミュージック・フェスティバル」などいくつかのオーディションに出場するたびに書いてもらい、異例の連続登場となったのです。

 福岡時代には電話でも何回かお話ししましたが、とにかく声はデカかったですね(笑)。プライベートな話題はほとんどしませんでしたが、プロになるかどうかについては相当迷いもあったようで、高校を中退してフリーター生活をしていたときもなかなか決心がつかず、3ヵ月間イギリスに行ってようやくふっきれたような話をしていました。

 それにしても、初めてエッセイを掲載したときから「あたし」という一人称を使い、自分なりの音楽論を展開していたのは、今考えてもすごいことです。自分を表現する場が欲しかっただけなのかもしれないけど、こんな小さい雑誌に3度も書いてくれたことには本当に感謝しています。

ブレイクするために必要なもの

 CDデビュー前に本誌が取り上げたアーチストは椎名林檎さんだけではありません。椎名さんのエッセイ初掲載の2号で巻頭を飾ったのはアイドル時代の浜崎あゆみ。インタビューのときにアイドルに対して違和感を持っていると発言していたのが印象的でした。同じく、2号で取材したオーディションで発掘したのが当時12歳(!)の小柳ゆき。次の3号では貴重な写真も掲載されています。

 椎名さんが出場した「ティーンズ・ミュージック・フェスティバル」(3号)で優勝したaiko、そして、昨年、タレントスクールの取材で偶然発掘した後藤真希(11号・最新号)も写真を掲載。椎名林檎を含めた彼女ら5名は、いずれもオリコンアルバムチャート1位の偉業を達成しています。

 たまたまなのか、必然なのか、とにかく本誌が取り上げる娘たちがこのように後にブレイクしてくれたおかげで『スクランブルエッグ』はずいぶん注目度が上がりました。

 これからどんな人が求められて、どう売ったら成功するのかについて質問される機会が増えていくでしょうが、踏み込んだ予測はあまりしないようにしています。本人と周りのスタッフの努力で結果は大きく変わるからです。

 浜崎あゆみ、椎名林檎を取材したときに、5年後に今のような形でブレイクするなんて、正直とても予測できませんでした。ただ、なぜ彼女たちを取材し紹介したのかについては、意味や根拠があります。その後ブレイクするために必要なものは、取材した時点ですでに本人たちが持っていたからなのです。

 その共通点は「個性」という使い古された言葉に集約されますが、売れるか売れないかわからない時点で、「個性」を見きわめるのはそれほど簡単なことではありません。本人が芸能人としての資質に気づいていないオーディションや発表会の場で、審査員や関係者とは違った目で見てくれる人やメディアはほとんどありません。それをなかば専門的に扱っているのが『スクランブルエッグ』なのです。

 タレントスクールの歌の発表会の出場者600人全員に寸評を載せたこともありますし、「白石さおりのオーディションチェック」はアイドルを目指す女性読者には熱烈に支持されています。NHK「のど自慢チャンピオン大会」「BSジュニアのど自慢グランプリ大会」を取材したのは実質的に本誌のみで、このなかから将来のスターが出ることは間違いないでしょう。また、去年よりストリートミュージシャンの世界にも目(耳)を向け、各地で取材活動を行っている真っ最中です。

誌面に載ることが価値のあること

 このように見てみると、ミニコミ誌とはいえ、オーディション専門誌、将来のスターを発掘する雑誌として少しは世の中の役に立っているかもしれません。
 先ほど挙げたほかにも、美少女女優として注目を集めている黒坂真美、大谷みつほ、平田裕香、セクシータレントの岡元あつ子、1000曲ライブで話題となった水木一郎、博多駅のストリートミュージシャン時代に取材した「うたいびと はね」、そして「ASAYAN」で最後まで鈴木あみと優勝を争ったMIYUKI(7月デビュー)など、アーチストからアイドル、タレントまで本誌の取材で発掘した芸能人はジャンル、年齢、性別を問いません。

 モチロン、これからデビューに向けてがんばっている予備軍たちも多数掲載されていますので、興味のあります方はぜひご注文のほうをよろしくお願いします。ホームページで取り扱い店の紹介や通信販売での入手方法を詳しく紹介しています。椎名さんのエッセイが掲載された号は、在庫が大変少なくなっておりますので完売の際にはご了承のほどを。

 『スクランブルエッグ』の今後についてですが、あくまで、アーチスト、タレントの卵たちがこの雑誌の主役であり、彼らを紹介、応援していくというスタンスは堅持していきたいと思います。「第2の椎名林檎発掘」に期待されている向きもあるでしょうが、先に書きましたように、卵がどんな形で孵化する(ブレイクする)かは予想がつきません。我々の判断基準にも個人的な嗜好が出ることがどうしてもあります。どうか長い目でみてやってください。

 最近になって「卵」たちからの注文、問い合わせや、取材などで声をかけられる機会も多くなりました。このページに載ったのがキッカケで、もっと「卵」たちや、彼らを指導する立場の方々にアピールすることができれば幸いです。そして本誌に載ることが今以上に価値のあることと思ってもらえるようにしていきたいです。

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