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ここは黙っちゃいられない~SPEED and E.L.T.


Updated: 2002/1/12
Released: 1998/11/23
本稿は1998年10月発行のスクランブルエッグ第9号に掲載された原稿全文です。

別にどうでもいいことだけど、たまには日頃思っていることを無責任に言い放つこともよかろう、ということになり、本誌を代表し、スクエアダンス(ファン側)と岡田(どうでもいい側)がSPEEDとE.L.T.について勢いだけで書きまくるアーチストレビュー'98です。

SPEED

Single
1. BODY & SOUL
  (1996.8.5)
2. STEADY
  (1996.11.18)
3. Go!Go!Heaven
  (1997.3.26)
4. Wake Me Up!
  (1997.8.6)
5. WHITE LOVE
  (1997.10.15)
6. my graduation
  (1998.2.18)
7. ALIVE
  (1998.7.1)
8. ALL MY TRUE LOVE
  (1998.10.28)

Album
1. Starting Over
  (1997.5.21)
2. RISE
  (1998.4.29)


新垣 仁絵
 (81年4月7日生)
上原多香子
 (83年1月14日生)
今井絵理子
 (83年9月22日生)
島袋 寛子
 (84年4月7日生)

 全国にSPEED大好き!という人は、老若男女を問わず、いっぱ~いいます。30代の私はその「老」の部類に入るんでしょうが、そんなには恥ずかしくないですよ。CDシングルぐらい買えます。別に「追っかけ」してるわけではないので……。

 私がSPEEDのファン代表というのは無理があります。熱狂的なSPEEDファンの方、ごめんなさい。本当は島袋寛子のファンというのが正解なんです。でも「メンバーの1人が好きだからそのグループが好き」というのは、よくあるケースでしょう。

 では「なぜ島袋が好き?」かというと、これを説明するのは難しい。好きな食べ物と同じで、理屈抜きにいいわけです。それでは理由になっていないので、そうですね。「トークの日本語が生き生きしている」ところかな。司会者の質問に対する島袋の答えは、すごい反応スピードなのに、「ことば」が的確で洗練されていて、いつもいつも感心しまくっています。

 次に、SPEEDの歌の話。特徴は、4人グループでのツインボーカルの掛け合いが核になっていることかな。今井絵理子の中音域の安定した歌唱力は、デビュー当初からもの凄いと感じたものです。生放送でも音を外すことが少ない。これを受けるかたちで、例の島袋寛子のアニメっぽい高音が引き立つのも、今井のベースがいつもしっかりしているおかげです。

 最初の1年ぐらい、もう一方の2人が目立たなかったので、「なんてバランスが悪いグループ」と思ったけど、新垣仁絵のジャマイカ風腰振りダンスや、一番清楚でおとなしそうに見える上原多香子の大ボケぶりが注目されてからは、4人の個性がくっきりして、またSPEEDの一体感も急に良くなりました。「Wake Me Up!」の後半部を見ると、いい仲間達だなあと実感します。(スクエアダンス)


 居酒屋放談から始まったこの企画。発起人(上木)は原稿を書かないというのもひどい話だ。

 SPEEDを子供ではなくアイドルと認識したのは3枚目の「Go!Go!Heaven」を聞いたとき。このユニットにはじめて似合った曲だと思ったし、実際によく売れた。あとはどうでもいい(苦笑)。

 伊秩弘将の楽曲は悪くないと思う。そして、発表会やカラオケで聞くにもなんの違和感もなく心地よく聞けるのに、なぜかSPEEDがテレビで歌っているのを聞くと、サンドペーパーを肌にこすられたようなざらつきを感じる。

 ラジオならばそれほど気にならないのになぜなのだろう。売れすぎているアイドルへの嫌悪感なのだろうか。いや、そうではない。沖縄アクターズスクールの暑苦しいカラーにはまりこんでいるキャラと、これまた威圧感のある声を出す島袋寛子の存在が、スーパーモンキーズの安室奈美恵と重なって不愉快になるのだ。

 安室それ自体、島袋自体が不愉快なわけではない。初期のスーパーモンキーズと初期のSPEEDの歌い回し方があまりにうりふたつなのが気に入らないのだ。「もういいよ」と言いたくなる。しかも同じ組み立て方なのにSPEEDのほうが断然売れているのも気に入らないじゃないか。そして波に乗せられている「時代」というやつが気に入らない。

 そしていつか予期せぬ形でバラ売りされるのもわかるから気に入らない。おねえさんがスーパーモンキーズの元メンバーだった新垣仁絵がいちばん人気がないのも気に入らないじゃないか。あ~なにもかもが気に入らない。

 だから私はSPEEDがテレビに出るとチャンネルを変える。SPEEDはなにげに街角のラジオで聞くのがいちばんしっくりくる。(岡田隆志)



Every Little Thing

Single
1. Feel My Heart
  (1996.8.7)
2. Future World
  (1996.10.23)
3. Dear My Friend
  (1997.1.22)
4. For the moment
  (1997.6.4)
5. 出逢った頃のように
  (1997.8.6)
6. Shapes Of Love
  (1997.10.22)
7. Face the change
  (1998.1.7)
8. Time goes by
  (1998.2.11)
9. FOREVER YOURS
  (1998.6.17)
10. NECESSARY
  (1998.9.30)

Album
1. everlasting
  (1997.4.9)
2. THE REMIXES
  (1997.9.17)
3. Time to Destination
  (1998.4.15)

持田香織[Vo]
 (78年3月24日生)
五十嵐充[Kb]
 (69年5月17日生)
伊藤一朗[G]
 (67年11月10日生)

 ELTのデビュー曲はなかなか衝撃的だった。小室「チック」なリフのイントロに、鼻にかかった、うまいか下手かよくわからない声、狭い音域をうまく使いこなした作曲技法など、注目する要素は多かった。

 メディア露出が極端に少なかったのも良かったが、TDKのCM出演をきっかけにマスコミに頻繁に出てきて、神秘性が急激に薄れてつまらなくなってしまった。

 と同時に持田香織の歌はうまいか否かについての興味もなくなってしまった。CDはよくできているし、音域も狭いから誰でも歌えるんじゃないの? だから支持されているんだろうけど、これは持田がどうとかいうよりも「五十嵐充マジック」にすべて抱え込まれているにすぎない。

 五十嵐充は認めても、持田香織は認めたわけじゃないということ。極私的感想を述べさせてもらうと「持田香織に歌わせるなら近藤名奈に歌わせろ!」って言いたくなるようないい曲があって、そこにそこはかとない近藤名奈の悲運を感じたりする複雑な気分。

 一方で、すごくしょーもない曲があったりして。それをタレント志望の子が発表会で歌った日には目も当てられない状態で減点1。ELTの選曲講座をやらないのは、「そのくらい自分で善し悪しを見分けられるでしょ」という意味なんだが。

 あるビーイングマニアによると、五十嵐充は熱狂的ZARDフリークで、ELTに書いている曲もZARDのおいしいところを積極的にパクっているのだという。なるほど、そういわれてみればELTも車の中で聞くのには最適かもしれないわな。

 そうやって考えてみると、歌がへたくそで少ししかテレビ出演せず、ライブもやらせてもらえない坂井泉水と比べれば、持田香織はかなりうまいということになるのだな……。(岡田隆志)


 本誌のスタッフをやっていると、オリジナル歌手よりも先に歌謡教室の発表会で新曲を耳にすることがよくある。

 MYノートに『この曲いい』と書いてあった「Feel My Heart」のCDを買いに行ったのが96年9月。ジャケットを見て3人組のグループだと知る。

 生徒の歌より数段良かったCDを何度も聴きまくって、「いい声してる」リードボーカルの名前を調べると、持田香織と書いてある。ひえ~と驚く。

 日本中が小室サウンド一色の時代で、欲求不満が続いていただけに、80年代風のわかりやすい展開と、一曲の短さがとても気に入った。

 2年経った今でも、ELTの「単純明解なポップス」の核の部分は変わっていない。アルバムにしても、全曲頭で考える必要がないくらい変化球が少なくて、五十嵐充を丸ごと体感できる。リスナーがスカッとするアルバムって少ないですよね。

 聴いていて気持ちがいい曲は歌っても気持ちがいいもので、ELTの曲はどんどんカラオケ仲間で歌われるようになってきて、曲も売れてきて、最後にテレビで歌う持田の服装が注目されてくるという好展開になっている。

 持田香織は、世の中が「カッコいい系」から「可愛い系」ファッションにシフトする前から、ノースリーブのワンピースを冬でも着て歌っていたので、彼女が中高生のファッションリーダーになれたのは、多分にツキがあったといえるだろう。キャミソールワンピが大流行の今年、「Time goes by」がミリオンセラー。いつもタイミングを生かそうとしている持田の執念の成果だといえる。

 私は昨年に続いて、夏の千葉マリンを見た。相変わらず雨女は変わっていないし、堂々としたステージの中のサービス精神も変わらない。(スクエアダンス)

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