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芸能スクール よもやまQ&A

written by KEN

  Last Updated: 2005/01/16
本記事を無断で複製・転載することを禁じます。
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あけましておめでとうございます。昨年は、イベントやオーディションなどの取材を通じて、スクール関係者の方、芸能予備軍の親御さんといろいろとお話する機会を持てました。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

2005年最初のコラムは、芸能スクールに関する疑問点で、芸能予備軍、およびその親御さんの間で頻繁に聞かれる質問や、実際に寄せられた質問のなかから、いくつかピックアップしてお答えしてみましょう。

Q1:子供が芸能界を目指したいと言っているので、芸能スクールに通わせようと思っているのですが、ウチの近くには、ダンスを中心に教えているところと、歌を中心に教えているところがあります。どちらがいいのでしょうか。

ダンス系スクールはユニット単位でのレッスンがメインですから、踊りの技術はもちろん、生徒との協調性を身につけさせるのに役に立ちます。お子さんが小学生~中学生で、芸能界での目標が、まだ定まっていないようでしたら、前回のコラムで書いたように、芸能界に必要な基礎的な能力をマスターさせるために、このようなスクールにまず入校させるのがいいでしょう。

一方、ボーカル系スクールの多くは、個々にボイストレーニングや楽器のレッスンを行います。年齢にかかわらず、お子さんが、将来、歌手、バンドでのデビューいうはっきりした目標を持っているなら、ボーカル系のほうが上達が早いと思います。

もちろん、ダンス系スクールにもボーカルのレッスンがあり、ボーカル系スクールにも、ダンススタジオと提携してレッスンを受けられる制度があります。まずは、体験レッスンを受けさせたり、発表会、イベントなどを見学したりしてじっくり判断してほしいところです。

Q2:今、娘がある芸能スクールに通っているのですが、レッスンを受けている内容が、娘が目指している分野と違う気がします。別のスクールに移ったほうがいいのでしょうか。

スクールの講師と生徒の間柄は、たとえば、マラソンの小出監督と高橋尚子選手との関係にも近く、技術を伝授するという部分では親子以上の信頼関係を必要とします。私個人としては、何度もスクールを移ることは、避けてほしいというのが率直な考えです。

特に、あなたのお子さんが、発表会やイベントにメインで出演している場合には、それだけスクールが期待を寄せている証拠でもありますから、安易に他の場所に移りたいと切り出すことは、いろいろなトラブルを引き起こす素になりがちです。

ただ、具体的にどんなジャンルのアーチストを目指しているかについては、スクールの関係者に考えを伝えたほうがいいでしょう。この手のトラブルは、往々にして双方の考え方に大きなギャップが生じて起こりますから、双方が意見を出しあって、どのようなオーディションを受けていくか調整していくことが重要です。もし、本当にスクール側が期待を寄せているのであれば、生徒側の意見もある程度は加味して対応してくれるはずです。

逆に、数年レッスンを続けて、どうも評価されていないなと思ったら、移籍を検討してみるのもひとつの手です。ただし、「ここは居心地が悪いから」という理由では、たとえ移籍しても同じことの繰り返しに陥る可能性が大です。あくまで「新しい可能性を試してみたい」という前向きな気持ちでアクションを起こすべきでしょう。

Q3:よく、芸能スクールの広告で、「出身者○○○○」と、今、テレビで活躍中のタレントさんの写真が大きく出ていますが、これは信じていいものでしょうか。

もし、全く在籍してなかった人を出身者として広告に掲載すれば、当然、その人の関係者からクレームが来ますし、悪質な場合には法律にも引っかかります。関係者はオーディション雑誌もチェックしていますので、基本的には信じていいものだと考えています。

ただ、スクールにどれだけ在籍していたかについてはバラツキがあります。入校2~3ヵ月でスカウトされてデビューし、メジャーになる人もいれば、4~5年、長い場合には10年以上レッスンを続けてようやくデビューにこぎつける人もいて、数からいえば後者のほうが圧倒的に多いのです。

また、本来は間違いなく出身者であっても、各方面のしがらみで大っぴらに宣伝できない例も多く見受けられます。実際、ある芸能スクールの関係者から、「所属事務所の意向で、Web上では写真入りで紹介することは控えてます」という話を聞いたことがあります。

事務所との力関係、アーチストの売り出し方などを考えるとやむを得ない部分もありますが、スクールの取材を通じて数多くのアーチストを発掘した「スクランブルエッグ」の立場からすれば、もっとこうした情報はオープンになってほしいというのが長年の願いでもあります。

なお、スクールの関係者に、出身者の在籍時代の様子を聞くのは構いませんが、プライバシーに関する事項(在籍時代の大まかな住所、家庭環境など)は、関係者が最も嫌う質問ですので、決して聞かないよう心がけたいものです。

以上、今までの取材経験から回答を導き出してみました。もちろん、この回答がすべてというわけではありません。お子さんの人生にかかわる問題もありますから、あくまで、参考意見として捉えて、周辺の方々とも十分に相談して判断していただければ幸いです。

芸能スクールに関する疑問点はまだまだたくさんあるかと思います。機会があれば、またこのようなテーマを設けて皆さんの疑問に答えていきましょう。お楽しみに。

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