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第2回写メドル公開オーディションに学ぶ

written by 岡田隆志

  Last Updated: 2004/08/14
本記事を無断で複製・転載することを禁じます。
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2004年8月2日に行われた「第2回写メドル公開オーディション」の審査内容が興味深かったので、取材レポートとは別にコラムを書き下ろすことにしました。オーディションの内容を知るためにも、まずは取材レポートを読んでから以下を読み進めることをおすすめします。

オーディション情報を常時多数掲載しているサイトを運営する側からの率直な感想を述べるとともに、オーディションを受ける立場の人に参考になることも考慮に入れて進めていきます。

「写メールによる応募」について

「写メールによる応募」は、芸能界デビューの新たな発掘場所の提供として意味のあることですが、「写メール」をオーディション用資料と考えたときに、情報量が写真やデジタルカメラの画像データに比べると圧倒的に少なく、審査や判断にまぎれが生じる可能性が高くなります(第1回の悲惨な結果がすべてを物語っています)。

さらに「写メール」独特の魅力的な撮られ方を若い女性は研究しているため、「写メール」でいくら魅力的でも現実としてグラビアに登場するときに期待外れに終わってしまうことが少なくありません(出会い系サイトなどを想像すれば理解しやすいでしょう)。

そういった観点から一般的にはオーディションでの「写メールでの応募」は審査する点において効率的とは思えませんが、誰でも気軽に参加できる点や、新しいオーディションのひとつの形を作っていく点において、これからの「写メドルオーディション」の参加者には注目していきたいです。

審査員の辛口コメント

(株)イエローキャブの野田社長の言葉取材レポート参照)は辛口に聞こえるかもしれませんが、この程度のことは業界の人は誰でも思っていて、本人の前で口にしないだけです。そういう意味では野田社長は、本音の意見を言ってくれていると思ったほうがいいでしょう。とても筆者にはこんな本音を本人の前では言えません。

野田社長は嫌がらせで言ってるわけではありません。何か言われて泣いたりめげたりするようなら、もともと芸能界に向いていないのでしょう。そういう反応も実は審査されているのです。

今回のオーディション参加者がどのぐらい本気なのかはわかりませんが、オーディションの場に立つ以上、将来プロになるつもりで来ているものと考え、審査する側もビジネスとして考えるとなると、いい加減なコメントがつけられなく、辛口になるのもやむを得ません。「やめたほうがいい」と言ったほうがいい場合も本当に多々ありますし、嫌がらせするほどヒマではありません。

グラビアをビジネスとして成立・成功させていくために多くの修羅場を経験してきた審査員だからこそ言えることがたくさんあるのです。出場者の人にはこの審査がひとつの大きな経験になったと思えばいいのです。

特技の披露について

今回のオーディションの参加者資料には基本的なプロフィール以外にもオーディション雑誌の付録オーディション用紙にあるようなプロフィール(好きな学科、好きなタレント、尊敬する人など)がぎっしり書きこまれ、さらに志望動機、自己PRに加え、「当日アピールできること」という欄もありました。

これだけ揃っていれば、水着の審査と特技の披露と質疑応答でかなり確かな審査ができることでしょう。今回のオーディションの審査員は多くの新人やベテランのタレントを見てきていますし、目的もはっきりしているので、首をかしげる結果にはならないのです。

とはいえ、当日できる特技の披露は印象に残りますので、ひとつやふたつあったほうがいいに決まっています。グランプリの中村光里さんは新体操のリボンで片足を150度近く上げて一周しました(取材レポート)。このぐらいできればなんらかの賞はもらえます。

自己PRについて

審査員による質疑応答と特技披露を十分したのち、司会の人が「自己アピールタイム」と、タイムテーブルどおりに叫んだのですが、加納典明氏が「もう十分アピールしただろ」とさえぎる場面がありました。結局希望者が最後に自己アピールをすることになりましたが、審査する立場としてはその時点でほとんど審査は終わっていたはずです。私自身も見ててそう思いました。

珍しく「○○だけは誰にも負けません」というコメントがないのが救われましたが、「努力」とか「根性」とか「笑顔」とか「元気さ」とか、そういうありきたりのもので誰にも負けないと言ったとしても何の自己アピールにならないと思うべきでしょう。特にこの日こんなことを言ったら審査員に何を言われるかわからない雰囲気でした。

質疑応答について

今回の審査員の質問はかなり気の利いた内容でしたので、オーディションを受ける立場の読者のみなさんは次項にある、出場者の回答を見る前に、自分がその場に立ったと思って答えてみることをおすすめします。

●前半(No.1~No.6)
Q1:今回賞をもらえなかったらどうする?
Q2:自分がグラビアアイドルになったときどんなキャッチコピー(「ワカパイ」みたいな)で呼ばれたい?
Q3:あなたが思うセクシーポーズを披露してください。
Q4:あこがれているグラビアアイドル

●後半(No.7~No.13)
5:最近見たドラマで感動したもの
Q6:3万人いる芸能人でライバルだと思う人
Q7:自分を漢字1文字で表現するとしたら……
Q8:怒った表情と寂しい表情をしてください。

この問いに対する対策はありません。ありきたりでもダメだしマニアックすぎてもダメです。ほかの人と同じ答えをすると『またか……』と思われてしまうのは否めないので、最初に答えるほうが多少有利かもしれませんが、あとからほかの人に同じ答えを言われることで、実は2人とも印象が薄くなってしまいます。

本音を言ってしまえば実際には何を答えようがあまり関係ありません。自分の考えを理由も添えてはっきり伝えることができるかどうかを見ているのです。同じ答えをしてしまい、「ほかにはないの?」と聞かれたときに何か別の答えが出せるのでしたらタレント性は高く評価されるのですが、本来タレント性の高い人は「ほかにはないの?」と言われる前に別の答えをしているものです。

今回の参加者の回答

取材レポートでは一人一人について触れることができませんでしたので、写真を添えたうえで、質疑応答の回答例をここで載せておきます。A1~は前項Q1~に対応するとともに、筆者コメントを付記しました。

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小田川沙里(13)
A1:再度チャレンジ
A2:キラキラ光った13歳
A4:井上和香
※バレエを披露。受け答えが大人っぽすぎて年相応のかわいさが見えてこない。

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管崎あみ(19)
A1:再度チャレンジ
A2:スマイル
A4:MEGUMI
※バトントワリングを披露も特技のレベルではない。ひとことオーディションの経験不足。

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田中貴子(20)
A2:グラストレータースマイル
A4:熊田曜子、山本梓、井上和香
※プロとして通用するようなポップなイラストを披露したため、グラビア的評価は相対的に下がってしまった。審査員特別賞。

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古川友美(19)
A2:フェロモン系
A4:小倉優子
※芸能界に興味を持ったのは最近で、明らかに経験不足も、加納氏に気に入られ準グランプリ。

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金原典子(20)
A1:落ちた理由を考えてリベンジ
A2:童顔を売りにしたい
A4:若槻千夏
※グラビアオーディションなので、前で手を組むのもダメ、髪は肩の後ろのほうが望ましい。笑顔も足りない。

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西崎理乃(25)
A1:野田社長のアドバイス(年齢の指摘)を聞くか、ギャフンと言わせるか考えます
A2:大人の色気
A4:井上晴美
※フラメンコを披露。経験豊富さが逆に新鮮さをなくすことも……このあたりのキャリアと年齢はグラビア系オーディションでは突破困難。

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加藤妙子(21)
A5:『オレンジデイズ』のラストシーン
A6:久本雅美
A7:寂
※もっとわかりやすい売りがないものかと思いつつ、髪を上げて1周したら加納氏に「いいオンナだよな」とつぶやかれ準グランプリ。

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島田真菜美(17)
A5:『あいのり』
A6:小倉優子
A7:楽
※おたくキャラを全面に出し、コスプレ姿から生脱ぎ。野田氏に「胸だけで商売になる」と言われ審査員特別賞。

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福田宏美(19)
A5:『ブラザーフット』
A6:渡辺真知子
A7:根性
※グラビアするにはボリュームが足りない。元LaLa♪Lu♪って言ってたけど……。

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早川夏未(23)
A5: 『猟奇的な彼女』A6:菅野美穂、夏川結衣
A7:越
※当日できることとして「開脚股抜き、立ちブリッジ」と書いたならそれをやって悔いを残さないようにしたいですね。

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笹秀樹里(20)
A6:ホリー・ヴァランス
A7:山
※審査員に「瀬川瑛子に似てる」と言われ、非常に印象に残った。これでひとつ武器を手に入れた!?

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中村光里(19)
A5:『ブラザーフット』
A6:松嶋奈々子
A7:光
※色白の秋田美人。アイドルオーディションならダントツ1位に推したく写真をたくさん撮った。見事グランプリ受賞。

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吉谷静香(22)
A5:『冬のソナタ』
A6:風吹ジュン
A7:酒
※酒席でのエピソードをアピールしすぎたか……。グラビア的にはボリューム満点。

グランプリの中村光里さんについて

加納典明氏は「イメージ、オーラで選ばれた」と、胸もないし、現状グラビア向けではないことを授賞コメントとして残しましたが、13人のなかではアイドル的要素・新鮮さの面でこの子しかありえない気がしました。

もっと現実的にグラビアとして使えそうな子が選ばれることも十分に考えられましたが、そうならなかったところが、単なるグラビアモデルではなく、将来芸能界で活躍しそうな点も考慮に入れた審査結果であったという見解を残しておきたいと思います。中村光里さんの今後の活躍に期待するとともに、機会があれば次回のオーディションも取材に行けたらと考えています。

最後に

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オーディション内容と関係なく、こういうカットを使われてしまう可能性もあることに注意!

本コラムでは明確に「対策」を述べませんでしたが、勘のいい人ならどうしたらいいのかは読み取っていただけるはずです。最後に、この手のオーディションで気をつけなければならない点だけお伝えしておきます。

水着公開オーディションなので、当然恥ずかしいに違いないのですが、将来仕事としてやっていくなら、ある程度堂々とした態度でのぞむ覚悟が必要です。

とはいえ、ムダ毛の処理やポロリをしないように十二分に気をつけてください。あとから「お宝写真」としてすっぱ抜かれたりしないようにくれぐれも気をつけることをおすすめします。本サイトはそういうことはしませんが、男性向けの雑誌や写真週刊誌にはそういうショットを狙っている場合が多々あるのですから。

それでは、またどこかの会場でお会いしましょう。健闘をお祈りしています。

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