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AKB48物語「紅白歌合戦出場とその影響」

written by 岡田隆志

  Last Updated: 2008/02/05
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2007年10月7日、AKB48チームBは2ndステージ『会いたかった』公演をスタートさせました。

★チームB『会いたかった』公演

チームBの『会いたかった』公演は2006年4月15日からチームAの2ndステージとして行われた公演の再演で、名曲揃いではあるものの、ある意味、キャスティングに重みづけ・偏りが生じる演目だったので、チームB内の多少の順位付けが明確にはなったものの、さほど違和感はありませんでした。

ただ、チームAでは前田敦子、高橋みなみの実質的な2トップがバランス良く振り分けられているのに対し、選抜メンバーとして以前から異例の抜擢をされている渡辺麻友が一人でセンター(前田敦子、高橋みなみの二役)を務めることになっていることが、チームBの現状をよく表しているようにも感じられます。

観客層も大きく変化している様子で、初演1週間後ぐらいにステージを拝見したのですが、以前から見ている者からすると、応援の方法を全く知らないようにも見え、それはチームAの『会いたかった』公演を見たことのない人が新たに劇場に集まってきていることの証拠でもあるので、とても複雑な気持ちにさせられたものです。

曲によってはキャストが当時のチームAよりもはまっているものも見受けられたと同時に、10月から始まった『AKB48+10!』(CS『エンタ!371』のレギュラー番組)が始まった勢いも味方して、今後のチームBの“末っ子からの脱皮”を少しだけ予感させる内容でした。

★「48現象」に見るグループアイドルとメディアの関係

2007年11月にかねてより刊行が遅れていた『48現象』がワニブックスより発刊されました。発行時期が迷走しているときに編集者に聞いたところによると「CD購入特典のファン招待の水泳大会にはなんとか間に合わせる」と言ってたものの、さらにそれより1ヵ月以上遅れてしまったようです。

とはいえ、尋常ではないエネルギーのある本に仕上がっていて、正直、大手の出版社が出すものというより、1980年代の『ミュージックマガジン』を彷彿(ほうふつ)とさせるような気合の入った「サブカルアイドルミニコミ誌」といった様相でした。

2007年になって80年代のエネルギーを持った本が出せるというのは、AKB48とAKB48劇場とAKB48ファンがなせる業とでもいいましょうか、これこそが秋元康総合プロデューサーが言っていた“地熱”が形となった一例でしょう。この本こそが「48現象」の最たるものと言えましょう。

私も含めてですが、80年代~90年代のグループアイドルのフォロワー(ファン)がやがて報道関係者になり、21世紀になって今度は関係者としてアイドルを巻き込み、巻き込まれていくといった図式が、まるで歴史が繰り返されるかのように起きています。

メディアによってAKB48への注目度や扱い方もさまざまで、マスメディアは当初、AKB48現象は取り上げつつも、冷ややかに見ているだけでした。核となるメディアはファンブログと弊社サイトぐらいしかなく、それでも確実にファンを獲得していったこともあり、徐々に雑誌、深夜放送、ラジオ、衛星放送、地上波と順調に取り上げられるようになり、アイドルファンで知らない者はいなくなるところまでに来るようになりました。

私自身、ファン的な立場から見ると、冷ややかに見ていたものが手のひらを返すように扱い方が変わるのに違和感を感じつつも、それも「絵巻物語」のひとつの巻だと思うと、歴史の立会人としておおらかな気持ちで見ることができます。それが顕著に現れるのがNHK紅白歌合戦出場という出来事でしょう。

★ひまわり組『夢を死なせるわけにいかない』公演

2007年12月4日、大晦日の「第58回NHK紅白歌合戦」にAKB48が初出場することが発表されました。

その4日後、劇場オープン丸2周年の2007年12月8日にひまわり組2ndステージ『夢を死なせるわけにいかない』の初日を迎えました。

チームA、チームKが一緒になった「ひまわり組」としての公演の内容の基本的な方向性は1stステージを踏襲しつつも、キャストに変化が現れてきているようでした。

それはフロントとなるべきメンバーがドラマ収録などでリハーサル、劇場公演出演のスケジュールが確保できないことから、それまで陽のあたりにくい場所にいたメンバーが新たに注目を浴びるチャンスが増えたことが挙げられるでしょう。

今回のひまわり組公演に限らず、今後、AKB48としての活動の幅を広げていくために劇場公演のキャストはかなり流動的になっていくことを予感させてくれました。とはいえ、公演内容のクオリティに問題があるわけでないですから、それはそれでいいのでしょうけど……。

「ひまわり組の劇場公演はそういうものなんだろう」と思うと同時に、古くからのファンの立場で言うと「見守っていく」「育てていく」「渾身の力で応援していく」という感情とはやや離れていきがちであることも事実です。

むしろ伸びしろがある、いわゆる“裏メン”やチームBに感情移入をしたくなるのも事実で、事実コアなファンはそちらのほうが面白いとはっきり言う人もいます。とはいえ、人気が安定しているように見えるメンバーからしてみれば、自分を応援してくれていたファンが離れるのはつらいもの。これもまたグループアイドルものにつきものの“お約束”。ここでも同じことが繰り返されているのです。

肝心の公演内容ですが、A 3rd、ひまわり1stの路線を継承するもので、わりとメジャーな(長調の)曲、王道な路線を中心としながらも、メロディやリズム面で実験的なものや、歌い手に依存するような曲が少ない、「安定版」といった内容です。

★『SHIBUYA-AX』公演

2008年1月21日から24日まで4日にかけて秋葉原を飛び出し、SHIBUYA-AXにて「リクエストアワー セットリスト ベスト100」公演が行われました。

ファンの投票によって4日間にわたって25曲ずつカウントダウンしていくという、ちょっと異色な内容のライブで、日を重ねるごとに盛り上がっていく公演でした。

公演を見に行った方は第何位にどんな曲が入るか、その曲は誰が演じるのかといったことに興味をそそられたことでしょう。

このライブで私が最も評価できたことは「お金をかけてないこと」「肩ひじ張ってないこと」でした。これは今までのAKB48では攻めていかなければいけない立場上、できないことでした。ところが、今回、紅白出場を成し遂げた余裕もあったのか、ひまわり組の劇場公演と同じ3,000円という低料金で、かつステージのセットには一切お金をかけずにテレビのベストテン番組のような演出で淡々とカウントダウンをしていくことにとても好感を持つことができました。

キャストも研修生を含めたすべてのメンバーのことが考えられていて、常に曲ごとのオリジナルメンバーが良いというわけではないことを今回の公演のキャストで証明してくれたような気がします。そして、甘えん坊の末っ子のチームBもチームA、チームKと違和感なく同じ曲を演じるように成長してきたことも知ることができました。

最終日の関係者席には業界のお歴々も見ておられたようですが、厚生年金以来見た方に聞いたところ、「確実にうまくなって安定してきた」と言っておられましたので、その成長ぶりは目に見える形で伝わったようで安心しました。

ちょっと気になることといえば、今回のセットリストベスト100を見ていると、AKB48は大島優子の歌で持っていることと、フォーメーション上、バックダンサーの比重は思った以上に低い扱いのように見えてしまったことでしょうか。

★チームB、ひまわり組の劇場公演

SHIBUYA-AXの公演の翌日にはAKB48劇場ではチームB公演、翌々日にはひまわり組公演が通常どおり行われたわけですが、その2日連続で見たことで発見したことがありました。

SHIBUYA-AXでチームBのメンバーがチームA、Kのメンバーと一緒に出ているのを見て、「こういうのもあり」「むしろBの子たちが入ってたほうがオリジナルよりいいかも」と思ったりしたのですが、チームBだけの単独公演をあらためて見ると、足りないものがいろいろあり、前日に思っていたことを修正しなければならないと思いました。

「チームBのメンバーはチームA、Kのメンバーに引き上げられて良く見えている」のだということを気づかされたのです。チームBの個々のメンバーとしては、そういう形で引き上げられることは決してマイナスではないので歓迎すべきことなのですが、力の差をなんとか埋めていかないことにはステップアップしていけないように感じました。

ただ、チームの色としてはチームAのような華やかなもので、多少若々しさや初々しさを強調したものが似合うような気がしますし、次のオリジナルバージョンで彼女たちの個性がさらに引き出されることを期待しています。

ひまわり組についてはキャラに合わせたキャストが今後も難しくなっていくだろうことを予感させましたし、秋葉原から全国区へどう旅立っていくのか、それを劇場公演とどう両立させていくのかについて本格的に取り組まなければいけない時期に来ていることがはっきりわかりました。

★「ロマンス、イラネ」と2008年のAKB48

2008年1月23日に発売されたシングル『ロマンス、イラネ』は80年代アイドルポップスというよりは90年代後半あたりを意識し、ある意味モーニング娘。全盛期のゴージャス感をメインのコンセプトにとらえた楽曲で、多くの人に受け入れられやすい可能性の持った曲のように感じました。振り付けもシンプルかつ豪快でテレビ映えするものでした。

1月24日(木)の深夜から始まった地上波の単独レギュラー番組「AKB1じ59ふん!」(日本テレビ、木曜深夜1:59~)も彼女たちの魅力を紹介するには十分の番組です。

2008年は初公演から丸3年目の年。全国制覇への状況がどんどん整ってきているなかで、今年が10年プロジェクトになっていけるかの最大の頑張りどころでしょう。注目されているだけではなく、結果を求められていく年であることは誰もが認めるところでしょう。

業界の中にはいまだに冷ややかな目で見ている人が多数いることも事実で、その際、たとえば私が力説して応援するよりは、いろいろな形で目に見える結果を出したほうが味方は増えるようにも感じます。

スクランブルエッグとしてできることは限られてはいますが、紅白以降の動きを見ていて、今年は相当に頑張って結果を出していかないとグループ存続まで危ぶまれてしまうのではないかという危機感を個人的には持っています。

劇場公演を10年続けていくためにはAKB48をもう少し全国区に広げていく必要があるように感じます。今まではできるだけ冷静に、歴史の立会い人のつもりで接してきたものの、今年は劇場オープンから関わってきた一人として、ある意味“使命感”を持って応援していかなければ、と強く感じている次第です。AKB48関連記事にはこれからもご期待ください。

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