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AKB48に見るグループアイドル一大絵巻物語序章

written by 岡田隆志

  Last Updated: 2006/01/29
本記事を無断で複製・転載することを禁じます。
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2005年12月8日に秋葉原で活動を始めた「秋葉原48(AKB48)」。DoCoMoのテレビCMが頻繁に放送されるようになったこともあり、かなりいろんな方に知られてきたようです。

本サイトではオープン発表会&公開リハーサルの取材記事、コラム「『秋葉原48』の読み解き方」を掲載しましたが、テレビCM放送が繰り返し行われることによって、業界関係者の多くの方に質問をされる機会が多くなりました。幸いなことに前回のコラムが関係者の目に留まり、共感をされたり、今後多少協力をする機会も出てくるかもしれないといった状況です。

今回は、グループ名ともなった“48”回目のライブを過ぎ、2月1日にシングルCDをリリースすることにあたり、現状の報告と、私自身の雑感を述べることにします。

ドンキはすごいことになっている

なんとなく気になってしまうので、定点観測の意味も含め、定期的に劇場に様子を見に行っているのですが、前回のコラムで予言(?)したとおり、劇場は今、すごいことになっています(苦笑)。

“甘く危険な香り”にみなさん吸い寄せられ、ライブハウス派の人、グループアイドル派の人、アキバのグラビアアイドル派の人、業界寄りのオールドファンの人らが入り混じり、劇場はいろんな人が集まる巣窟のようになっています(笑)。

東京パフォーマンスドール→制服向上委員会でもう懲りてるはずなのに、いつの間にかライブにほとんど来てる人、市ヶ谷のライブハウスに入りびたっていたのにいつの間にか秋葉原に拠点を移してしまった人、アイドル業界のライターとして結構仕事してる人なのに何度も劇場に足を運ぶようになってしまった人……まあそんなような“だめなひと”(ある意味尊称)たちがしっかり“甘く危険な蜜”に寄って(酔って)日夜アキバに通いつめている状況なのです。

空気の澱(よど)み方

グループアイドルものの経験豊富な人ならわかってくれると思うのですが、狭いハコ(会場)で同じ演目、同じ客層でライブを続けていると、どうしても甘えの構造というか、マンネリ化してしまう傾向にあります。

それはある意味、仕方ないことです。なぜならば人間は、「嫌なものから逃げ出す」か「居心地良いところに居座る」かという、本質的な行動パターンを持っているからです。ステージで演じているAKB48の女の子が今、嫌なことから逃げ出したいと思っているはずがありません。ステージに出るというせっかくつかんだチャンスをなんとかものにしようと一生懸命なあまり、お客さんに気をつかうということはあったとしても、嫌なわけではないでしょう。

ファンの側のほうが一枚も二枚も上手ですから、タレントを気持ちよくさせる方法はよく知っているわけです。ですから、お互いにちょうどいいところで気持ち良くなりあってるという現象が必ず起きるのです。

1月の前半のステージでは見ていてそんな空気が感じられ、いったいこの先どうなるんだろうか、と不安になりました。

こなれたパフォーマンス

夏まゆみ氏の振り付けはタレントにとってもファンにとっても共感できるものだったはずなので、お客さんもかなりコピーして客席から同じ振りをしている光景をよく見るようになりました。

アイドルですからそんなに振り付けがうまくなる必要もないのでしょうけど、AKB48のみなさんは振り付けについて身体の動きについてはなめらかになり自分の動きの一部にはなったようですが、正直言って切れがないというか、振りを極めようという意識のあるメンバーが目立つことは残念ながらないです。お客さんの踊りのほうがよっぽど切れがあったりして(笑)。

ダンスの“切れ”なんて、そんなに気にする必要もないのかもしれませんが、十数年前の東京パフォーマンスドールの一部のメンバーは自分の生き残りを賭けてダンスの“切れ”を磨いていたし、歌なら歌で自分の気持ちの込め方についてライブを重ねていくうちに本当に日に日に成長していったものです。それと比較すると、今のAKB48の子らはまだまだ危機感が足りないのではと思ったりもします。

本当に成長していけるのか

前回のコラムに記したことについて次のような疑問を抱かれた方が複数おられました。

「演じるアイドルが誰であろうとステージとして成立するようになっているのと、成長していく過程そのものを見せているというのは矛盾するのではなかろうか」

それはステージを見ていくうえで、かなり的を射ている疑問でして、私自身も彼女たちが与えられた演目のなかでどう成長を見せられるのだろうかと感じる場面がありました。

これも結局“志(こころざし)”の問題といえるのですが、自分がどこまで夢を持っていいのか、自分がどこまで夢を持っていけるのかといったことと深く関係があるような気がしています。

言い方が良くないかもしれませんが、しょせん、たまたま選ばれた得体の知れないアイドルグループにどこまで夢を託せるかというのは、当人にとっては不確定要素です。

それでも、選ばれたこと、今、与えられている状況に甘んじてどれだけ自分を高めていけるのかというのは正直なところ、自分自身では決めつけられないという“弱さ”がつきまといます。

長年芸能界予備軍と接した側の立場からすれば、「今を一生懸命やらないと明日につながらない」ということだけは確かなのですが、その「今」が正しいかどうかはきちんと認識する必要はあるでしょう。

幸いなことに“AKB48”は現状においては不安になる要素はそれほどないように思えますので、2軍に落ちることのないようメンバーの方々においては常に“危機感”を持ち続けていただきたいと思っています。

空気の読み取り方

ライブハウスの空気は本当に日によって変わります。それは演じている側にはひょっとしたらわからないかもしれません。いや、決してそんなことはないはずでしょう。敏感なメンバーにはきっとわかるはずです。

1月22日に21人目のメンバー・篠田麻里子さんが加入したことにより、それまでの客席の空気の流れが少しばかり変わったような気がします。そういう空気の流れを感じつつ、ステージを楽しみながら自分自身のスキルを上げてもらうのが私みたいなオールドファンにとっての楽しみなのですが、彼女らにとって、そういった空気の流れの変化を感じてくれているのかどうかについてはわかりません。

そもそもアイドルというものは歌や振り付けのスキルはそれほど求められるわけではありません。結局のところ、芸能人としての“オーラ”だとか、バラエティ番組などにおける“柔軟性”(=タレント性)がいちばん大切なのだと思います。

そういった意味で“メジャーデビュー”を目的としているAKB48のメンバーがステージでその個性(タレント性)を発揮できる数少ない機会をどう生かしていくかにおいてはもっともっと危機感を持っていったほうが良いのではとライブを見ていてときどき思うのです。

絵巻物語

そもそもこんなことを書こうとしているのは、私はAKB48を見ていて「この劇場で今、起きていることは過去に見たことがある」気がしてならないからなのです。

それはおニャン子クラブなのかもしれないし、制服向上委員会なのかもしれないし、東京パフォーマンスドールなのかもしれないし、モーニング娘。なのかもしれませんが、見ている人がそれぞれ体験した「グループアイドル一大絵巻物語」を目の前でもう一度見させられているような気がしてならないのです。

AKB48が結果としてどうなるのかはわかりませんが、観ている側は過去のグループアイドルものの追体験をし、過去にやり残したものの悔いを残さないようにと、意外と真剣な部分を持ちつつ応援している方も多数いるのではと思ったりしながら見ています。

メンバーやスタッフの人たちは観ている側の思いにはそれほど気をつかう必要はないかもしれませんが、それぞれいろんな思いが交錯しながらステージが作られていることだけは確かです。

あらためてマスメディアの影響力がよく分かったAKB48ですが、彼女たちは2006年2月1日にCDをリリースします。秋葉原に足を運べなかった人にも音を聞くことはできますし、キャンペーンで東京だけでなく、地方の主要都市も回ることができるようになりましたので、まだ見てない方がいるようでしたら、話の種に1回ぐらいは見ておいたほうが良いかもしれませんよ。腰の重い我がスタッフや周辺人もなんやかんや言いながら劇場に足を運んでいるのがひとつの注目の証です。

cover スカート、ひらり
AKS
1,050円(税込)
CD
2006年6月7日
作詞:秋元康、作曲:岡田実音
cover 密着!「AKB48」~写真集 Vol.1 the・デビュー
講談社
1,890円(税込)
ISBN 4063527425
2006年3月2日
cover 桜の花びらたち
AKS
1,300円(税込)
CD
2006年2月1日
作詞:秋元康、作曲:上杉洋史

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